1,結論:生物膜の除去は「1週間に1回以上」。年1回は洗浄ではなく点検の目安
2,換水の頻度と、配管洗浄の頻度は別の話
3,洗浄方法によって、必要な時間も間隔も変わる
4,日常の塩素管理は、洗浄の代わりにはならない
5,「うちはどのくらいか」を決める4つの材料
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7,出典
「配管の洗浄は、何年に一度やればいいですか」。入浴施設の管理者の方から、よくいただく質問です。ただ、公的な基準の書かれ方は「何年に一度」ではありません。
公衆浴場における衛生等管理要領では、連日使用型の循環式浴槽について、1週間に1回以上、ろ過器を十分に逆洗浄して汚れを排出するとともに、ろ過器および循環配管について適切な方法で生物膜を除去し、消毒することが求められています。
つまり、生物膜を落とす作業は、週単位の日常管理として位置づけられています。数年に一度の大掃除ではありません。そのうえで循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアルでは、年に1回程度は循環配管内の生物膜の状況を点検し、生物膜がある場合にはその除去を行うことが望ましいとされています。年1回という数字は、洗浄の間隔ではなく点検の目安です。
同じ要領では、毎日完全換水型について、毎日完全に換水して浴槽を清掃すること、これにより難い場合であっても1週間に1回以上完全に換水して浴槽を清掃することとされています。集毛器については、毎日の清掃・消毒です。
換水は浴槽の水を入れ替える作業で、循環配管やろ過器の内部は換水では洗われません。「毎日換えているから配管は大丈夫」とはならないのは、このためです。
マニュアルでは、配管内の生物膜を落とす方法として、次のようなものが示されています。
・塩素による循環洗浄:配管などの材質の腐食を考慮し、残留塩素濃度は5〜10mg/L程度が妥当とされ、この状態で浴槽水を数時間循環させる
・より厳格な管理として、少なくとも1週間に1回以上、10mg/Lの塩素で1〜4時間処理する方法も挙げられている
・過酸化水素(2〜3%で使用):有機物と反応して発泡し、物理的に生物膜を剥離・除去する。ただし劇物に該当するため、専門業者による施工が前提となる
薬剤が届きにくいろ過器や集毛器、配管の接続部などは、分解して清掃する必要があります。方法が違えば、必要な作業時間も休業時間も変わります。
マニュアルでは、普段から浴槽水の遊離残留塩素濃度が0.2〜0.4mg/Lとなるよう塩素系薬剤を連続注入により添加し、微生物の繁殖を防いでおくことが前提とされています。
この日常管理ができていると、定期的な洗浄の効果も保ちやすくなります。逆に、日常の濃度管理が不安定なまま洗浄だけを繰り返しても、間隔は短くなる一方です。
・浴槽の型(連日使用型か、毎日完全換水型か)
・1日あたりの入浴者数と営業時間
・配管の長さと経路、使われていない枝管の有無
・これまでの水質検査の結果と、塩素濃度の日々の記録
要領では、図面等により配管の状況を正確に把握し、不要な配管を除去することも求められています。使われていない枝管は水が滞留し、菌のすみかになりやすい場所です。
水質検査の頻度は、連日使用型で1年に2回以上(浴槽水の消毒が塩素消毒でない場合は1年に4回以上)、毎日完全換水型で1年に1回以上とされています。検査の結果と洗浄の記録を並べて見ると、自分の施設に合った間隔が見えてきます。
厚生労働省『循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアルについて』
雅堂では、浴槽の型・稼働状況・配管の経路を確認したうえで、洗浄の方法と間隔をご提案しています。「どのくらいの頻度でやるべきか」がはっきりしない段階でも構いませんので、一度ご相談ください。
お電話受付 9:00-20:00 / 080-7744-9636
執筆:株式会社雅堂 宮下知也(一般社団法人抗菌防カビ清掃技術研究所 副理事長兼講師)
更新日:2026年9月13日