1,結論:レジオネラ症は「飲む」ではなく「吸い込む」ことで起こる
2,打たせ湯とシャワーには、循環している浴槽水を使わない
3,気泡発生装置は「連日使用している浴槽水」を使わない
4,シャワーは、使っていない時間がリスクになる
5,露天風呂で見落とされやすいところ
6,点検のときに見ておきたい5か所
7,清掃する人の安全も忘れずに
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9,出典
「浴槽水の検査は問題なかったのに、打たせ湯から出た」。ご相談の中で、実際にあるケースです。同じ施設の中でも、水を細かい粒にして飛ばす設備は、浴槽とは別に見ておく必要があります。
レジオネラ症は、菌を含む細かい水滴(エアロゾル)を吸い込むことで感染します。公衆浴場における衛生等管理要領でも、気泡発生装置等を設置した浴槽や打たせ湯、シャワー等は、エアロゾルを発生させ、レジオネラ属菌感染の原因ともなりやすいとされています。
同じ水でも、静かに張ってある浴槽と、水滴を飛ばす設備とでは、利用者が吸い込む量がまったく違います。だから設備ごとに管理の考え方が変わります。
要領では、打たせ湯及びシャワーは循環している浴槽水を用いる構造でないこと、管理面でも打たせ湯及びシャワーには循環している浴槽水を使用しないこととされています。
循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアルでも、循環浴槽水やオーバーフロー水等を再利用した水を打たせ湯に使用することはできないとされています。
古い施設では、配管をたどると循環側につながっていることがあります。図面が残っていない場合は、実際に系統を追って確かめる必要があります。「昔からこうだった」がいちばん危ない状態です。
要領では、気泡発生装置等を設置する場合には連日使用している浴槽水を用いる構造でないこと、設置している場合は連日使用している浴槽水を使用しないこと、そして気泡発生装置等の内部に生物膜が形成されないように適切に管理することとされています。
マニュアルでは、水面上で気泡がやぶれてエアロゾルが発生するため、レジオネラ属菌が飛散するおそれがあると説明されています。菌がいる水を、もっとも吸い込みやすい形にして出す設備だ、ということです。
なお要領では、気泡発生装置の清掃・消毒の頻度は「適宜」とされており、日数の指定がありません。裏を返すと、使用状況に合わせて施設ごとに決めておく必要があります。決めていない施設では、実際には何年も内部を見ていない、ということが起こります。
マニュアルでは、シャワーについて週に1回、内部の水が置き換わるように流水すること、シャワーヘッドとホースは6か月に1回以上点検し、内部の汚れとスケールを1年に1回以上洗浄・消毒することが示されています。
客室や、使用頻度の低い浴室のシャワーは、水がとどまる時間が長くなります。使っていないから安全、ではありません。むしろ止まった水のほうが菌は増えます。
マニュアルでは、露天風呂について、浴槽の湯は常に満杯状態とし溢水を図り浮遊物の除去に努めること、毎日完全に換水し浴槽の消毒・清掃を行うこと、内湯との配管から露天風呂の湯が混入しないよう注意することが示されています。
露天風呂は落ち葉や土ぼこりが入りやすく、菌の栄養になる有機物が増えます。内湯と配管がつながっていると、汚れた側の水がもう一方に回ることになります。
・打たせ湯の水がどこから来ているか(系統図と、実際の配管の両方で)
・気泡発生装置の空気取入口の位置(土ぼこりや浴槽水が入らないか)
・シャワーヘッドとホースの内側のスケール
・使用頻度の低いシャワーやカランに残っている水
・露天風呂と内湯の配管のつながり
マニュアルでは、清掃者の一般的な感染予防対策として、手袋や密封性の高いマスクの着用が推奨されています。
高圧洗浄や薬剤の噴霧は、その作業自体がエアロゾルを発生させます。汚れた設備をいちばん近くで扱うのは作業者です。営業中の利用者だけでなく、清掃する人の装備も決めておいてください。
厚生労働省『循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアルについて』
雅堂では、浴槽だけでなく、打たせ湯・気泡発生装置・シャワーまで含めて系統を確認したうえで、洗浄と点検の計画をご提案しています。「どこから手をつければよいか分からない」という段階でも構いませんので、一度ご相談ください。
お電話受付 9:00-20:00 / 080-7744-9636
執筆:株式会社雅堂 宮下知也(一般社団法人抗菌防カビ清掃技術研究所 副理事長兼講師)
更新日:2026年9月13日